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『マネー・ボール』マイケル・ルイス
2011年09月28日(水)
Moneyball


 何だ、これほど話題になった本をまだ読んでなかったのか、と言われそうですね。そうなんですよ、すみません。
 ふだんはぼく、仕事と直接関係のある本以外では、ほとんど古典しか読まないんです。ミステリなんて、最近では年に数冊程度しか手に取らない。
 スポーツノンフィクションに関しては、ついつい筆が滑り、差し障りのあることばかり書いてしまうので、この欄ではあまり取り上げないようにしております。
 そういうぼくがお勧めするんですから、この本は面白いです。野球を知らない人にも、というか、ふだん野球を見る習慣のない人ほど、面白く読めるかもしれません。
 ぼくを含めて、しがない同業者はみんな、ビリー・ビーンという得難い主人公をつかまえるという、この上ない幸運に恵まれた著者に嫉妬せずにはいられないでしょう。
 アメリカに比べ、日本のプロ野球界が人材不足だとは、一概には言えません。ただ、アメリカに比べると、こういう本を書くには抵抗が多いんですよね、この国は。
 もっとも、この本がベストセラーになって以降、著者も無理解で閉鎖的なメジャー関係者から散々攻撃されたようで、あとがきには彼らに対する悪口を延々と書き連ねていますが。
 この本のおかげで広く知られるようになったセイバーメトリクスに関しては、決して万能の理論ではありません。ビーンによる戦力補強の方針にも、肯定しかねる面が多々ある。
 ただし、「野球の常識」に大きな一石を投じたこともまた確か。もちろん、ぼくの固定観念にも。
 今後の執筆活動の参考にさせて頂きます。

(発行:武田ランダムハウスジャパン RHブックスプラス 翻訳:中山宥 定価:760円=税別)