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『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女[完全版]』(WOWOW)
2016年05月20日(金)
Män som hatar kvinnor


 世界的ベストセラーとなったスウェーデンの作家スティーグ・ラーソンの壮大なミステリ小説の映画化第1作。
 大企業を経営する資本家ファミリーのおぞましい秘密を暴く雑誌〈ミレニアム〉の敏腕記者ミカエル、セキュリティー会社の若き女性調査員リスベットの姿が描かれる。

 のちにアメリカでもデヴィッド・フィンチャー監督、ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ主演でリメイク版『ドラゴン・タトゥーの女』(2011年)が製作され、ぼくは劇場公開時にそちらのほうを先に見ている。
 なかなか面白かったので続篇を楽しみにしていたのだが、5年経っても一向に第2作の製作情報が入ってこない。

 そこへWOWOWで本家スウェーデン版の「完全版」3部作が一挙放映されたものだから、2日かけて一気に見た。

 タイトルバックは全3作を通じ、ポイントとなる場面を描いた油絵ふうのカットが使われており、これがいかにも北欧的なムードを醸成している。
 アメリカ版のいきなり「ドラゴン・タトゥー」が彫られた女体のクローズアップがスクリーンいっぱいに映され、レッド・ツェッペリンの『移民の歌』が大音量でかぶさる、という出だしもハリウッド映画らしいインパクトがあったが。

 最大のポイントはヒロインのリスベット・サランデルを演じるノオミ・パラスで、彼女の雰囲気と存在感が素晴らしい。

 アメリカ版のルーニー・マーラは鼻、眉、唇にピアス、耳に大きなリングをして、バイ・セクシャルであるという設定から、どちらかと言えば中性的なルックスに見せていた。

 これに対し、パラスのピアスは鼻と耳だけ、目つきもマーラより鋭く、全体的に男っぽい。
 甲乙つけがたいが、本国版の本作を見ているうち、リスベットはパラス以外には考えられなくなってくる。

 そのパラスが後見人のビュルマン弁護士に暴行されるシーンもアメリカ版より凄まじい。
 とりわけパラスの獣のような悲鳴が耳に残り、これが第3作のクライマックスで大きな効果をもたらすことになる。

 資本家のヘンリック・ヴェンゲルを演じているスヴェン・ヴォルテル・タウべの好演も記憶にとどめておきたい。
 この役者を初めて見たのはスウェーデンの名匠ボー・ヴィデルベルイ監督の『刑事マルティン・ベック』(1976年)で、カルル・グスタフ・リンデステッド演じるベックの部下として、若いころから渋い味を見せていた。

 ただし、アメリカ版より劣る部分も少なくない。

 ぼくが一番気に入らないのは、ミカエル・ブルムクヴィスト役のミカエル・ニクヴィストがダニエル・クレイグに比べて少々魅力に乏しいところ。
 加えて、本国版の割りに、アメリカ版に比べて北欧的な寒々しさが感じられないのも物足りない。

 また、全体的にもヤマ場を盛り上げるメリハリに乏しい。
 監督のニールス・アルデン・オプレヴはデンマーク出身の人物で、ミカエルが殺されそうになり、リスベットが救出に駆けつける大詰めなど、結構頑張ってはいるが。

 お勧め度はB。
 
(2009年 スウェーデン、デンマーク、ドイツ/日本配給ギャガ 2010年 183分/劇場公開版153分 R15+)

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2016リスト
 ※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

45『シンドバッド黄金の航海』(1973年/米)B
44『シンドバッド7回目の冒険』(1958年/米)B
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42『スプラッシュ』(1984年/米)B
41『女と男の名誉』(1985年/米)A
40『バートン・フィンク』(1991年/米)A
39『フューリー』(2014年/米)C
38『バベル』(2006年/米)A
37『インヒアレント・ヴァイス』(2014年/米)C
36『シリーズ・江戸川乱歩短編集 1925年の明智小五郎』(2016年/NHK)B
35『映画 ビリギャル』(2015年/東宝)A
34『終の信託』(2012年/東宝)C
33『ALI アリ』(2001年/米)C
32『キング オブ ポルノ』(2000年/米)B
31『グリーンドア』(1972年/米)B
30『ラビッド』(1977年/加)B
29『ビデオドローム』(1983年/加)B
28『三十九夜』(1935年/英)A
27『第3逃亡者』(1937年/英)B
26『サボタージュ』(1936年/英)B
25『吸血鬼ドラキュラ』(1958年/英)B
24『オオカミは嘘をつく』(2013年/以)C
23『メイズ・ランナー』(2014年/アメリカ)C
22『帝都物語』(1988年/東宝)C
21『座頭市地獄旅』(1965年/大映)B
20『鬼龍院花子の生涯』(1982年/日本ヘラルド)A
19『瀬戸内少年野球団』(1984年/日本ヘラルド)C
18『ダイナマイトどんどん』(1978年/大映、東映)C
17『バンクーバーの朝日』(2014年/東宝、フジテレビ)A
16『ティン・カップ』(1996年/米)C
15『フォレスト・ガンプ 一期一会』(1994年/米)A
14『マップ・トゥ・ザ・スターズ』(2014年/加、米、独、仏)B
13『博士と彼女のセオリー』(2014年/英)A
12『チャッピー』(2015年/米)A
11『荒野はつらいよ〜アリゾナより愛をこめて〜』(2014年/米)C
10『サンダーボルト』(1974年/米)B
9『白い肌の異常な夜』(1971年/米)B
8『刑事コロンボ 第45話「策謀の結末」』(1978年/米)C
7『はぶらし/女友だち』(2016年/NHK)A※未ビデオ化
6『暁の7人』(1975年/米)A
5『ジョニーは戦場へ行った』(1971年/米)B
4『NHKスペシャル 映像の世紀』(1995年/NHK)A
3『刑事コロンボ 第44話「攻撃命令」』(1978年/米)B
2『刑事コロンボ 第43話「秒読みの殺人」』(1978年/米)C
1『ラヴ・ストリームス』(1984年/米)A