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『バンクーバーの朝日』(WOWOW)
2016年03月30日(水)


 第二次世界大戦前の1914年から太平洋戦争に突入していた1941年まで、カナダのバンクーバーで活動していた日系移民二世の野球チーム〈朝日軍〉を描いた実話ダネ映画。
 野球を描いた日本映画ならいろいろと見てきたけれど、本作は非常に面白く、感動的で、ぼくの本の読者の方々にはぜひ一見をお勧めしたい。

 主人公のジョー笠原(妻夫木聡)はふだん、製材所で肉体労働に従事している朝日軍のショートでキャプテン。
 職場では居丈高なカナダ人の現場監督による差別に耐え、家庭では広島からの移民である両親(佐藤浩一、石田えり)の愚痴を聞きながら、毎日練習に汗を流している。

 笠原と二遊間コンビを組むセカンドのケイ北本(勝地涼)は漁師。
 港からグラウンドへ練習へ行こうとするたび、「遊ぶ余裕があってええのう」と年寄りに嫌味を言われている。

 捕手のトム三宅(上地雄輔)の仕事は両親が経営している豆腐屋の手伝い。
 彼もまた、もっと仕事をしっかりやれという小言を背中に受けながら練習に通っている。

 そんな朝日軍の選手たちが黙々とキャッチボールを繰り返し、声を出しながらノックを受けている描写がいい。
 ふだんの生活が辛ければ辛いほど練習に熱が入る彼らの姿が、説得力とリアリティをもってこちらの胸に迫ってくる。

 監督の石井裕也はキャスティングに当たり、スタンドインを使わずに野球のプレーができることを条件にしたという。
 野球というスポーツのどういうところが見る者を感動させるのか、野球を描くのに絶対に外せない勘どころは何か、この監督は実によくわかっている。

 朝日軍は弱いチームだった。
 パワーでは地元の白人チームに敵わず、バントやチームプレーで勝てるようになったら、白人の審判にアンフェアなジャッジをされるようになり、たまりかねたケイが乱闘騒ぎを起こすと、リーグから一方的な出場停止処分を科されてしまう。

 負けたくない、このまま引き下がりたくない、しかし、どうにもならないことが多過ぎる。
 そんな思いを胸に集まった朝日軍の選手たちの前で、レジーの妹(高畑充希)が”Take me out to the ball game”を歌うシーンには涙がにじんだ。

 その後、レジーがケイに言うセリフはもっと素晴らしい。

「やっぱり、野球は楽しいよ。
 まあ、いろいろあるけどさ。
 おれ、野球がやれるんだったら、ここに生まれてよかったと思える」

 お勧め度はA。

(2014年 東宝、フジテレビ 133分)

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2016リスト
 ※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

16『ティン・カップ』(1996年/米)C
15『フォレスト・ガンプ 一期一会』(1994年/米)A
14『マップ・トゥ・ザ・スターズ』(2014年/加、米、独、仏)B
13『博士と彼女のセオリー』(2014年/英)A
12『チャッピー』(2015年/米)A
11『荒野はつらいよ〜アリゾナより愛をこめて〜』(2014年/米)C
10『サンダーボルト』(1974年/米)B
9『白い肌の異常な夜』(1971年/米)B
8『刑事コロンボ 第45話「策謀の結末」』(1978年/米)C
7『はぶらし/女友だち』(2016年/NHK)A※未ビデオ化
6『暁の7人』(1975年/米)A
5『ジョニーは戦場へ行った』(1971年/米)B
4『NHKスペシャル 映像の世紀』(1995年/NHK)A
3『刑事コロンボ 第44話「攻撃命令」』(1978年/米)B
2『刑事コロンボ 第43話「秒読みの殺人」』(1978年/米)C
1『ラヴ・ストリームス』(1984年/米)A