Star Wars: The Force Awakens

見に行ったのは有楽町の日劇で、13時35分からの3D字幕版。
平日の昼にもかかわらず7〜8分の入りで、ステート・トルーパーのマスクをかぶった団体さんもいるなど、結構お祭り気分が漂っていた。
とりあえず、出来映えが気になるファンは早めに見に行ったほうがいいだろう。
旧作シリーズのエピソード4、5、6に出てきたキャラクターが展開の上で重要な役割を果たしており、このネタバレ情報が目や耳に入ったあとではかなり興が削がれるからだ。
ネタバレにならない程度に書くと、序盤はエピソード4へのオマージュが多分に感じられる。
あっ、昔見た見た、あれもこれも、と言いたくなるアイテムが頻出し、ニューヒロインのレイ(デイジー・リドリー)が砂漠の街に現れる場面も、かつてのルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)が初登場したシーンを彷彿とさせる。
こうしてぼくのような旧作シリーズをオンタイムで見た世代をうれしがらせながら、矢継ぎ早に見せ場をつないでゆく。
とくに、レイがミレニアム・ファルコンに乗り込んで繰り広げるタイ・ファイターとの空中戦は一番力が入るところ。
そのレイをはじめ、ニューキャラクターを演じる俳優にはなかなかの芸達者をそろえていると言っていい。
新たなダークサイドのジェダイ騎士カイロ・レンを演じるアダム・ドライバーはコーエン兄弟の佳作
『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(2013年)に脇役で出演しており、同作で主役を務めていたオスカー・アイザックが本作では共和国軍のパイロット・ポーに扮して大活躍を見せる。
レイの恋人(?)フィン役のジョン・ボイエガはタランティーノが絶賛したSFコメディ
『アタック・ザ・ブロック』(2011年)で威勢のいいガキ大将を演じた役者。
本作でも大暴れしてくれるかと思っていたら、キャラの設定がいまひとつ中途半端で、彼は今シリーズ(また3作つくられる予定)の次作から本領を発揮するのかもしれない。
とまあ、いろいろと見どころは多いんだけど、引っかかったのはやはり旧作シリーズのキャラクター、とくにハン・ソロ(ハリソン・フォード)の扱い方である。
かつてのお姫様だったレイア・オーガナ(キャリー・フィッシャー)もいまや将軍に昇格したせいかいやに深刻で、見ていた限りは笑顔を見せる場面がひとつもない。
大体、エピソード6でやっとダース・シディアスと銀河帝国を打倒したはずなのに、その後日談である本作では帝国の残党によって「ファースト・オーダー」というより強大な悪の帝国が誕生しているとはどういうことか。
レーア将軍率いる共和国軍はまたもやレジスタンスの立場に追い込まれ、レイやフィンも一からのゲリラ戦を強いられる、という設定には閉塞感を感じないではいられない。
いったい、いつになったら宇宙に平和が訪れるんじゃ!
これでは新しい大統領が出てくるたびに「世界に平和を」と言いながら延々と戦争を繰り返し、しかもどんどん大規模になっとる現実のアメリカと同じじゃないか!
おまえらはそんなに「ウォーズ」が好きなのか!
…なんてね。
採点は75点。
(2015年 アメリカ=ウォルト・ディズニー・モーション・ピクチャーズ 136分)
TOHOシネマズ日劇などで全国公開中 ※50点=落胆 60点=退屈 70点=納得 80点=満足 90点=興奮(お勧めポイント+5点) 2015劇場公開映画鑑賞リスト10『ひめゆりの塔』(1953年/東映)80点
9『ひめゆり』(2007年/プロダクション・エイシア)90点8『日本のいちばん長い日』(2015年/松竹)75点
7『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(2015年/米)80点
6『セッション』(2014年/米)80点
5『海にかかる霧』(2014年/韓)85点
4『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014年/米)75点
3『アメリカン・スナイパー』(2014年/米)80点
2『6才のボクが、大人になるまで。』(2014年/米)85点
1『フォックスキャッチャー』(2014年/米)85点※
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