counter
www.akasaka-cycle.com
font size       [old site
 home   blog   works   pick-up   others   profile   bbs 
『ターミネーター:新起動/ジェニシス』
2015年07月11日(土)
Terminator Genisys


 このテの映画は公開されたらイヤでもネットから様々なネタバレ情報が目に入ってくる上、見てみたら大なり小なりガッカリ感を覚えるものなので、なるべく早く見に行くに限る。
 というわけで、封切初日のきのう(10日)、TOHOシネマズ新宿のスクリーン9(3D字幕版・DOLBY-ATMOS)でじっくりと鑑賞してまいりました。

 もうひとつ、このテの映画はいまやCGやVFXが精巧にできているのは当たり前、というより前提条件で、シナリオの中身、即ちストーリーの構成、どんでん返しのサプライズがうまくハマっているかどうかが成否を分ける。
 その点、このシリーズはタイムトラベルをテーマとしているだけあり、シリーズ第1作の『ターミネーター』(1984年)から複雑なストーリーを結構首尾よくまとめている(SF作家の大家ハーラン・エリスンがテレビドラマ用に書いた脚本の剽窃であるとはいえ)。

 では、前作『ターミネーター4』(2009年)から6年ぶり、シュワルツェネッガー主演作品としては『ターミネーター3』(2003年)以来12年ぶりとなる本作はどうだったか。
 ファンの期待に応えようと健闘していることは評価できるし、エンターテインメントとしての満足度も低くはないが、これが精いっぱいかと、つい溜息が漏れたのも確かである。

 お話が始まるのは2029年、ジョン・コナー(本作ではジェイソン・クラーク)率いる人類救世軍がスカイネットの機械軍の本拠地に攻め込み、いままさにネット軍団を全滅させようとしているところ。
 コナーとカイル・リース(本作ではジェイ・コートニー)がどやどやと踏み込むと、機械軍はコナーの母親サラを抹殺すべく、タイムマシンで人間型ターミネーターT800(若き日のシュワルツェネッガー)を1984年に送り込んだあとだった。

 そこでコナーはさっそくカイルをタイムマシンに乗せ、T800の後を追わせる、という出だしは第1作の設定をきっちりと踏襲しており、こちらも作品世界に入りやすい。
 ところが、カイルと青年版T800が1984年に到着してみると、そこには中年版T800(オッサンとなったシュワルツェネッガー)が待ち構えていて、「待ちくたびれたぞ、この野郎!」とたちまちシュワちゃん同士の取っ組み合いが始まる。

 えっ、何、これ? と驚いていたら、そこへ警官の格好をした韓流スター、イ・ビョンホンが登場。
 おっ、ニューキャラクターかと思ったら、これが『ターミネーター2』(1991年)でロバート・パトリックが演じた液体金属型ターミネーターT1000で、24年前を彷彿させるアクション場面の連発となるのがうれしい。

 追われるカイルがショッピングモールへ逃げ込んだ矢先、トラックがフロアに突っ込んできて、運転席からサラが身を乗り出すと、「アンタを待ってたわ!」。
 サラを演じるのはエミリア・クラークで、第1、2作のリンダ・ハミルトンとは打って変わったアイドル系美人女優なのにびっくりしている間もあらばこそ、トラックに乗り込んで呆然としているカイルに、「あの1984年はもう終わったのよ!」と矢継ぎ早に本作のベースとも言える設定の説明を始める。

 おいおい、いったい、何がどうなってるんだ? と、ここまではカイルと同様、見ているこちらも戸惑いっぱなし。
 サラの解説である程度は納得できるのだが、これがいささか複雑に過ぎ、字幕を追うのが大変で、第1、2作を見ていない観客にはとてもすべて理解することはできないだろう(見ていてさえわかりかねる部分も少なくないのだから)。
 
 また、このテの映画常として、シリーズの旧作を見ていないとよくわからないオマージュも多く、旧作を知らないファンは知っているファンの半分ぐらいしかワクワクできないはず。
 それぐらい、元ネタを知らなければおかしくも何ともない小さなシャレがあちこちに散りばめられているので、第1、2作の予習をしてから鑑賞することをお勧めしたい。

 個人的には、シュワ頼みから脱却を図った第4作(クリスチャン・ベール、サム・ワーシントン主演、マックG監督)のほうがSFアクションとしても人間ドラマとしても完成度が高かったと思う。
 本作のシュワちゃんはセルフ・パロディを演じて笑いを取る方向に走っている面もあり、第2作までの勇姿に感動したファンは複雑な気分になるかもしれない。

 採点は80点。

(2015年 アメリカ=パラマウント・ピクチャーズ 125分)

 TOHOシネマズシャンテ・新宿・日本橋・六本木ヒルズなどで全国公開中

 ※50点=落胆 60点=退屈 70点=納得 80点=満足 90点=興奮(お勧めポイント+5点)

 2015劇場公開映画鑑賞リスト
6『セッション』(2014年/米)80点
5『海にかかる霧』(2014年/韓)85点
4『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014年/米)75点
3『アメリカン・スナイパー』(2014年/米)80点
2『6才のボクが、大人になるまで。』(2014年/米)85点
1『フォックスキャッチャー』(2014年/米)85点